可視光通信…菓子交通神?お菓子と交通の神じゃないって

可視光通信とか眼や光にまつわるもろもろ

身の回りの変調光を聴いてみよう

さて、可視光通信に関して、ときどき出る質問が、「そんな、眼に見えない点滅に乗せってデータ送なんて、体に影響ないんですか?」 と聞かれます。
そういう質問への参考として「すでに身の回りのいろんなものが、すでに眼に感じない速さで点滅されてる」という事をご紹介しようと思います。

そして、この実験に使う道具は、ちょい昔、子どもがとっていた6年の科学の付録で、棚ざらしになっていた「光通信キット」の付録がふと眼にとまりましたのでコレを使います。(現在、個別キットで販売もしているようです
http://shop.gakken.co.jp/shop/order/k_ok/goodsdisp.asp?code=1575030900

まずは、キットはこんな感じ。
送信部(LED) 受信部(太陽電池)


動画1:基本動作

(曲はPerfumeで、1st Album、Complete Bestより「エレクトロ・ワールド」)

回路的には、光にはマイナスの明るさってのがないので、DC(直流)の強弱変化に変えるところがミソです。

受光デバイスとしては、太陽電池を使います。一般的には、光の通信ですとフォトダイオードという素子を使うのですが、このキットのように応答速度や特性が音声変換に使える程度でよくて、受信感度がとれるということで太陽電池ということになったのでしょう。
ちなみに、フォトダイオードの扱いって少し面倒なので、日曜電子工作では、LEDを「受光」デバイスとして使うこともあります。LEDに光を当てると電気が生じるのです。逆に太陽電池に電気流すと光出るそうです。
どちらも本来の使い方でないので、相当効率悪いのですが・・・



それでは、聴き比べ。まず、照明。
動画2:ふつうの蛍光灯(インバータ無し)とインバータ型蛍光灯

・一般蛍光灯。うちは関東ですので、商用電源周波数50Hzの交流から作られたブーンが小さい音で聞こえます。
ただし!!光の明暗でいうと、50Hzで駆動された明かりはプラスとマイナスのピークどちらも、明るさのピークが来るので、聞こえる音の周波数は50Hzでなくオクターブ高くなって100Hzになります。(下図)

ちなみに、100Hzは、音高で言うと、およそ、G2(2オクターブ下の)くらいの音音です。( A4(ラ)=440Hzのとき G2=97.99Hz )
西日本だと、60x2=120Hzの音になるので、だいたいB2(シ)くらいの音高になると思われます。
微妙に端と真ん中で発光の様子が異なるため、それが音色の違いとなって現れているのがわかるでしょうか。

・動画後半はインバータ型のスタンドです。消費電力の効率とか、すぐ点灯するとかの利点のために、商用ACをいったんDCにしたあと、数十kHzの交流で駆動します。つまり1秒に数万とか数十万回の点滅となります。人の聴覚はよく聞こえる人で20kHzくらい。なので、もはや、これは音が聞こえません。(音になっても聞こえないし、そもそもこの回路の応答速度も超えてるかも)
ちなみに、わずかに全体に電源のハムが乗るのか、ブーンとかすかに聞こえます。


次は昨今、ますます普及しないといけないLED照明で。
動画3:LED電球 安い奴とちゃんとしたメーカー品

これ、大手がLED照明作り始める前にかった、通常電球(いわゆるエジソン球)の口金と互換のやつです。
LEDは直流光源なので、そのまま直結すると壊れたりしますので、たぶん、この安物は、
単純にマイナス側をひっくり返した直流化(全波整流)なのかもしれません。(とはいえ、電圧は適切に合わせていると思います)なので、まあ、通常蛍光灯や電球と同じ、100Hzの音になります。
(※なお、フィラメント電球には極性ないので(蛍光灯も)、ACにそのまま接続しても、電流の+・ー変化どっちでも電圧が強ければ明るくなるので、整流(直流化)の必要はありません。)

同じエジソンバルブコンパチのやつですが、もうひとつは大手のちゃんとしたやつ。
もう交流のハム音(ブーンという音)は聞こえません。


次は、情報機器の表示の聴き比べ。
動画4:いろんなディスプレイ

まず、PWMによるデジタル調光について。
デジタル調光とかPWMでの調光というのは、点灯の明るさを一定にしつつ、人の眼に感じられない速さで間欠的にちょっとだけ消灯を入れる事で、時間変化ににぶい人の目に暗くなったように見せています。ですので、この点滅周期が可聴範囲なら音が聞こえます。明るさが変わっても、周波数は変わりません。パルスの幅は音色の違いで現れます。なぜ、調光をこういうふうにするかっていうと、実は電流や電圧を微妙に調整する回路より、高速なON/OFF回路で、OFF時間を調整する回路のほうが、安くて安定したものをつくり安いからです。
デジタル調光とか、PWM(pulse width modulation とかいいます。

MACWin7ノートPCで「豆腐屋ラッパ」
調光のPWMの周波数でやはり音が聞こえます。しかし、最大輝度では、PWMする必要ないので音はしません。

もう1台のPCも横に並べました、いい具合にPWM変調周波数が違ってるので、「と〜ふ〜」と豆腐屋のラッパの演奏できました。(ちなみに、Winノートは全部この音高ってわけではなく、機種により違うはずです)

iPhone とケータイ
アイフォンもおそらく調光はPWMのはずで?すが、割と高めですが、音は聞こえます。
ケータイも外のお飾りのLEDは盛大にPWMされてますが、ディスプレイは最高輝度でない設定ですが、こちらは全く音は聞こえません。

一般に、回路、発光素子の特性との関係で小面積だと高速に点滅させられるし、おおむね高周波数なほうが効率いいので、こういう小型機器は、高い周波数のPWMで輝度調整しています。(はず)

●デジタルTV
 輝度最大にしてもこれはだめですね。TVだと映像のキレのために、OFFの制御を入れたりするからそれのからみかなぁ。(わかる方教えてください)
(曲: BOOM BOOM SATELLITES の 「Back On My Feet 」のPVです)



動画4:おまけ おもちゃ、時計、赤外リモコン

●クマのライティングおもちゃ
 いろいろ光るぬいぐるみです。最初はベタ点灯らしく音は聞こえませんが、ぼわーと明るさが変化するところ調光にやはりPWMを使っておりそこの変調周波数が聞こえます。

●赤外リモコン
可視光じゃないですが、この太陽電池は赤外感度もあるようで、赤外リモコンの音が聞こえます。
家電用赤外リモコンのパルスの周波数は三十数kHzなんできこえませんが、データのフォーマットの隙間のところなんかで、可聴範囲の変化があるので、音が聞こえます。

なお、iPhoneのカメラでとっているので、赤外は写ってません。

昔のデジカメものは、感度欲しさに色味がおかしくなるの覚悟で、赤外カットをいれないでバンバン近赤外の光が写ってましたが、最近はかなり安いやつでも、リモコンの光が写るのがめっきりなくなりました。



こんなふうになるのも、以前の記事 http://d.hatena.ne.jp/junaz/20100429/1272555235 で書いたように、
視覚=空間的な分解能は大(1度の数十分の一)、 時間的分解能は小(数十Hzまで)
聴覚=時間的分解能は小(数度〜数十度レベル)、時間的分解能は大(数KHzまで)
という差があるので、眼で感じられない変化も音だとてきめんに感じ取ることができるというわけですね。