可視光通信…菓子交通神?お菓子と交通の神じゃないって

可視光通信とか眼や光にまつわるもろもろ

LED信号機と色弱者とインフラを変えること

最近ブログ書いてなかったので、ちょっとプチ調べ事結果のメモに。

まず、先日、
色弱者も良く分かる赤信号
このWeb記事に関するTweetがいろいろTwitterで流れてました。
この記事のアイディア(粒になったLEDを使って、色弱の方にはバツが浮き出るようなしくみ)
は非常におもしろくて、こういう再デザインを考えることは大賛成


で、このブログエントリはこの記事の中のとっても細かいところの話です。
その気になったところですが、
「<LED信号機になって色弱の人には見えづらくなった」という記述です。


自分自身、コンソーシアムで信号機メーカーの人と、何度も可視光通信のフィールド実験をご一緒したりなど、
お話する機会は多く、そのとき「色弱者への配慮している」という話が記憶に残っていたので、
再度信号機メーカーの知り合いの技術者さんに確認。


※この写真は本文と関係なく、信号機メーカさんにおじゃましてのLED信号機と可視光イメージセンサ通信受信機のフィールドテストの写真(こんな近くでなく、300mくらいで受信できてますよ。もちろん)


その結果。経緯含めて以下にまとめ。 


1. 旧来の電球式信号機と色弱の方の見分け方
電球式では、特に色弱者を意識したわけではないが、結果的に同黄色灯器の高度が高くなった。
(同一電球に色フィルタをつけるのだが、結局黄色が持っとも多くの光を通したので)
これで、幸いなことに、多くの色弱の方のパタンは、青はわかるが、黄色と赤が難しいというもの。
なので、混乱する色で明るいほうが黄色、暗いほうが赤、と覚えてもらうことで、かろうじての区別をしてもらっていた。


2. LED灯器の初期不具合
(ごくわずかな)製品初期段階において、黄色と赤が識別しづらいという話題が扱われた。
「ぱすてる」色覚の問題を考えるボランティアグループ
「LED信号灯は見やすいか」
http://www.pastel.gr.jp/newsletters/25-1.htm
などのページ(どうも日付がはっきりしませんが、2002年ごろの活動でこの問題を指摘なさったり、マスコミ活動などしたようです)


3. その後の対策と今の仕様
 2のような指摘があり、警察庁殿も問題意識をもたれ、色々な検討・試作・実験が行われ、その結果、黄と赤の光度に差をつける仕様が策定された。
現在は、警察庁の灯器に関する仕様書に「警交仕規仕様書」というものがあり、そこでは  (赤)1:(黄)1.4の比率以上とうたわれている。
さらに、現在の製品の実力的には、黄色は赤色の約2倍の光度を有して いるとのこと。


この件で思ったこと、
・ぜんぜん別の観点ですが、ネタの扱われ方として、”新しくて一見いいもの” に対して、”「実は・・・」ってマイナス情報”あると、自分自身含めて逆に簡単に信じがちなので、そこ気をつけようかな。という話。


・インフラを変えながら改良はもう少し冒険心をもっても・・
LEDになって互換性はあるが、せっかくのLEDの可能性を活かして冒頭のようなアイディアをいれこまない。(形状を変えればいい、という提言もたくさんあります)というのが寂しいポイントです。

基本の社会インフラだから、そうそう冒険はできなんだろうけど、以下のリンクのケベック集の例みたいに結構ちょこちょこトライしながらでやってしまっても、優秀な国民なんだし(でも責任はだれかに取ってもらいたがる国民性の傾向はあるかもだが)対応できると思うけどなぁ。

ケベック州の信号機はわかりやすい」-ソラノイのブログ-

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参考:

信号機の色はなぜ「赤黄青」なのだろう - Garbagenews.com -

色覚異常