女子の一部は四原色感覚です
※昔、工業調査会の「可視光通信の世界」(http://bit.ly/cLfQYX) を業界のみなさんと書いたのですが、じぶんの担当(9章)のついでに、豆知識関係でコラムも提案したのですが、結局採用されなかったボツコラムからです。
(光関係ではわりと基本のトリビア)
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人間の「赤」を感受する視細胞の感度周波数に微妙に違う2つのタイプが
あるのをご存知だろうか、このため、一人一人の赤の感受性は微妙に2つのタイプになることが知られている。
もっとも、その差は、周波数にして5nmなので本当に微妙な差、専用の器具を使わないとなかなか、どっちの赤に感じるか、療法の赤に感じてるかは確かめられない。
5nm(5ナノメートルの差)というのがどれくらいかというと、人間の可視光域がだいたい、360 nm〜830 nmくらいの中の、5nmだから、1%ちょっとの差ということになる。 音の感覚だと1%の周波数の差はだれでも感じられるが、
周波数については鈍感な視覚ではほぼ不可能。
しかも、この遺伝子がのっているのは、性染色体のXなので、性染色体の組み合わせがXXである女性で、それぞれのX染色体が別の赤感受細胞を発現させる場合、その人(必ず女性)は、四原色の感応で色を見ていることになる。
人口比率でいうと女性の47パーセント(注:下記訂正参照) だそうである。
(2012/6/30 付記と訂正。この比率ガセみたいです。4色色覚の赤色素錐体の獲得は、色覚異常の突然変異にかかわるようで、X染色体に等しく分布するわけでないようです。下記の記事だと女性の12%としています。GIGAZINE:1億以上の色を知覚できる「スーパービジョン」を持つ女性が12%もいる可能性 )
ただし、4原色といっても、微妙な差をもつ赤が2つになるだけなので、通常の生活であからさまな差はわかりにくいようであるが、女性のほうが一般的に色のセンスがいいとされているのもこのあたりにも原因があるのかも知れない。
参考文献
岩波書店「科学」 Vol.65 NO.7 JULY 1995
色覚の分子生物学 北原健二
動物の色覚 徳永史生
http://www.ne.jp/asahi/mc/minatomachi/color-sense.htm
※その後の捕捉
鳥類、爬虫類魚類は4原色の視物質をもつ、4原色動物だそうで(紫外側に感度を広く持つ)、一方、哺乳類の多くは2原色のほうが主です。
哺乳類の祖先が、夜行性を長く経験したため、2つの視物質利用に退化し、その後、霊長類等の昼行性の獲得で、色によるエサの弁別が生存に有利になって、3原色になったとの説があるようです。